有限会社ダイキョー|快適よりも皆様の幸福を願う総合害虫防除会社|9:00~18:00

トコジラミ復活2

一時は絶滅したかに思えたトコジラミですが,近年問い合わせが増加中だとか・・・ これは日本だけではなく多くの先進国で当てはまります.その復活の理由とはいったい!? ■ トコジラミの復活 第2章『復活の理由』 日本におけるトコジラミは,戦後アメリカ軍によりシラミなどの防疫対策として用いられたDDTの大量使用によりほぼ絶滅しました.これはおそらく他のアメリカやヨーロッパなどでも同じで,多くの先進国で はほぼ絶滅していたのではないでしょうか.しかし,絶滅したかに見えたトコジラミも2000年頃から先進国 を中心に被害は急増しており,非常に大きな問題となっています.また,被害事例もホテルや旅館を中心だったのが,最近では一般家庭での事例報告も増加してきているようです.実際に,どちらのケースにおいてもPCOへの駆除依頼が増加しています. ではなぜ近年になり,世界的にトコジラミが復活してきたのでしょうか? それには以下の要因が考えられています. ① 使用薬剤の変化 私達が使用している薬剤も,安全性や自然界への残留性などの問題から日進月歩で変化しています. DDTをはじめとする有機塩素系の薬剤からフェニトロチオンやDDVPのような有機リン系になり,現在では合成ピレスロイド系やネオニコチノイド系,IGR剤なども使用されています. 日本では,まだ有機リン系の薬剤の使用が認められていますが,アメリカなどでは既に使用が禁止されています.トコジラミに対して高い殺虫効果が期待できた有機塩素系や有機リン系の殺虫剤が使用できなくなったことが駆除を困難にしました. ② 殺虫剤の使用量減少 IPMによる害虫管理や人体や室内空間への薬剤汚染に配慮し,最近では薬剤散布も部分処理が一般的です.そのため,生息箇所が多岐にわたり特定が難しいトコジラミでは,どうしても処理できていない箇所が発生してしまいます.そのために,生き残りが生じ,数日のうちにまた増加してしまいます.とはいえ,生息している部屋全体,置いてある家具や本などにも薬剤を散布してしまうと新たな問題が生じてしまうため,薬剤大量散布は難しいく実施できません. ③ 薬剤に対する抵抗性 日本国内における最近の報告でも薬剤抵抗性のトコジラミが知られています.ある系統(現場)のトコジ ラミに対する薬剤抵抗性を調べた結果,有機リン系のフェニトロチオンやDDVPでは駆除効果は望めるものの抵抗性比が5~6倍認められています.ピレスロイド系のものでは,一般的によく使用されているペルメトリンやフェノトリンではなんと全く効果が期待できないという結果でした.使用薬剤の変化・使用量の減少に抵抗性の問題が加わり,さらに駆除を困難にしています. ④ 旅行客やバックパッカーによる伝播 旅行者やバックパッカーの荷物にトコジラミが随伴し,世界各地へ分散しています.現在では国境,海を 越えて世界中を容易に旅行できるようになったため,私たちがトコジラミの分散を手助けしているといえる でしょう.旅行者はホテルからホテルへ移動を重ねるうちに,荷物から寝具へ,寝具から荷物へという形で 分散を繰り返していきます. ⑤ 先住民や発展途上国からの移住増加 より良い生活や一攫千金を求めて先住民や途上国からの移住者が増加しています.この際持ち込まれる荷物にトコジラミが潜伏していることがよくあるようです. ⑥ ベッドやマットレスなどの寝具や家具のリサイクル増加 環境のことを考え,ホテルや一般家庭などで使われなくなったベッドやマットレスなどの寝具類,本棚 などの家具類のリサイクルが盛んに行なわれるようになりました.そのため,その中に潜んでいた トコジラミが各地に広まったと考えられています. 以上のようにトコジラミは人間の活動に随伴して世界的な分布域を広げ,侵入した地では駆除が繰り替えされるうちに薬剤抵抗性を持つという状況になっています.そして,またその種が各地へ分散していくというトコジラミの悪循環が引き起こされ,世界的な蔓延(復活)へと繋がったのだと思います.

介護用ポータブルトイレ専用・消臭剤「パイオ消臭きえるんです
グリストラップの清掃・メンテナンス