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カラス特集第2回「生息環境と生活史」

カラスは森の中や住宅地、ゴミ収集施設など、いろんな場所で見られます。また、種類ごとに生息環境が違うかと言えば、必ずしもそうではなく、ハシブトガラスとハシボソガラスが同じ場所で生息しているケースも多いです。ただ、 一般に山地や森林、都市部ではハシブトガラスが多くなり、農耕地や河川敷など比較的見晴らしの良い環境ではハシボソガラスが優勢になる傾向があります。 そして同じカラスでも、つがいで営巣している言わば既婚のカラスと、まだ若い独身のカラスでは行動圏が異なります。これはカラスの生活史を順に追っていくと分かりやすいので、繁殖期を起点にして見ていきましょう。まず、繁殖期は若い雄のカラスと雌のカラスが出合い、ペアになることから始まります。その後、彼らは二羽共同で秋頃から翌年の春先にかけて自分たちの縄張りを確保します。巣作りも採餌活動も基本的に縄張りを中心に行われます。 営巣場所は樹上が多く、他には電柱の上や高圧送電線の鉄塔などの人工物でも見られます。営巣に利用する樹種は特に決まっていないようですが、マツやスギ、クスノキ、イチョウが比較的多いようです。また、ハシブトガラスは巣の露出を嫌うためか芽吹き始めた木や常緑樹など身を隠せる物が多い場所を好みます。産卵期はハシブトガラスが3月末から4月初旬、ハシボソガラスでは3月頃です。産卵数は4、5個で、卵は20日前後で孵化します。雛は1ヶ月ほどで巣立ちますが、その後も親鳥から餌をもらったり、飛ぶ練習をするため、実際に独立するのは早くても2ヶ月、遅い時は半年以上にも及びます。 親元を離れた若鳥は、やがて若鳥同士で集まり集団生活を始めます。親鳥と異なるのは自分たちの縄張りを持たず、群れで自由に行動することです。なので仲間と一緒にゴミを漁ったり、夕方に群れをなしてねぐらに帰っていくカラスの大半は若鳥です。また、この集団生活を通じて雄と雌が出会い、新たなペアが誕生します。なお、カラスは生まれてから繁殖が可能になるまで3年ほどかかり、これは鳥類の中では遅い部類に入ります。 ところで、人間がカラスに襲われるというニュースが時々報道されます。多くが後ろから頭を蹴られたり、帽子を飛ばされるといったものですが、中にはそれに驚いた人が転倒したり、物にぶつかるなど被害が拡大するケースもあります。そのため、カラスと言えば攻撃的な鳥と思われがちですが、実際のところはそうでもありません。 そもそもカラスに攻撃されるのは、うっかりカラスの縄張りの中、特に巣の近くまで侵入してしまった場合や、飛翔に失敗して地面に落ちた巣立ち雛が近くにいる場合がほとんどです。つまり、これは攻撃というよりは巣や雛を守るための防衛行動であり、親鳥のみが行います。若鳥の場合は集団であるとは言え、守るべき巣も縄張りも無く、また、人間の方が大きくて強そうに見えるせいか、積極的な攻撃に出ることは稀です。 また、カラスは攻撃の前に威嚇行動をとることが多いため、これを知っていると、対処しやすくなります。具体的には、大きな声で連続して鳴く、近くの木の枝などにとまって葉や枝をちぎって投げる、後をつけて来る、周りを飛び回る、などです。このような行動を確認した場合、カラスから視線を逸らずにゆっくりとその場を離れることが重要です。 最後に、カラスは学習能力が高く、カラス同士では勿論、人間の顔や特徴も覚えられるという研究例が知られています。滅多にないことですが、頻繁に巣の間近を通りかかるなど極度にカラスから警戒されると、そのうち顔や身なりを見られただけで威嚇されることもありますので、日頃のカラスとの付き合い方にも注意した方が良いかもしれませんね。さて、カラス特集最終回となる次号では、カラスの学習能力について紹介したいと思います。どうぞ、お楽しみに! ※参考文献:カラスの自然史 樋口広芳・黒沢令子編集 北海道大学出版 カラスの教科書 松原 始著 雷鳥社出版

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